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敷地延長の狭小地に建つ家

  • 所在地東京都
  • 竣工年2010
  • 建築面積32.55 m2(9.84坪)
  • 延床面積79.74 m2(24.12坪)
  • 設計/監理Studio Greencraft 日部 友裕
  • 撮影新 良太
この住宅は、約21坪の狭小の旗竿敷地に建っている。また、敷地周囲も2方向には隣家が迫って建っており圧迫感のある、囲われた厳しい条件出会った。しかし、敷地の一辺にかろうじて開いている部分があり、そこには隣地であるが一本の桜の木があり、狭小敷地ながらも何か魅力を感じることができた。

建主は共働きであり、平日の日中はほとんど家には居ることが少なかった。そこで、休日の限られた時間を家の中で快適に過ごすことのできる、陽ざしの差し込む温かく明るい住まい、ずっと居たくなるような住まいが希望であった。

周囲を取り囲まれた小さな敷地であるが、床面積の確保を敢えて捨て、唯一開いた隣地側に「ナカニワ」を設け、住空間を「タテ」へと繋ぐ螺旋階段と一体化させた『タテノニワ』と呼ぶ「ソラ」へと延びる吹抜けを中心に各室を設けた。

また、この『タテノニワ』を通じ、隣地の桜の木からは、春に咲く花を楽しませてくれ、だんだんと夏に向かい葉を覆い茂らせ、そしてそこに集まるセミや鳥たちの泣き声など、自然界の持つ変化、時間といった外部で起こる出来事を内部へと伝えてくれる。そして、この吹抜けた『タテノニワ』は十分な光を内部にもたらすだけではなく、各室の生活の気配と言った内部の繋がりも感じることができる。